【7月9日 AFP】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により、今秋からの授業がすべてオンラインとなる米教育機関の留学生について、米ハーバード大学(Harvard University)とマサチューセッツ工科大学(MIT)は8日、現在のビザ(査証)での滞在を認めないとしたドナルド・トランプ(Donald Trump)政権を提訴し、裁判所にこの命令の一時差し止めを申し立てた。

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 米移民税関捜査局(ICE)は6日、該当する留学生らは米国から出国するか、あるいは対面授業を行う教育機関に編入しなければならないとする指針を発表していた。

 ハーバード大学のローレンス・バコウ(Lawrence Bacow)学長は「われわれは、本学の留学生および全米の教育機関の留学生が国外退去の脅威を受けずに勉学を継続できるよう、この訴訟を精力的に推し進める」と表明した。

 米国の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者数は過去最多を更新しているが、トランプ氏は大学や学校に対し、新学年が開始する9月の全面的な再開を迫っている。

 ICEは6日の発表で、秋学期すべてオンライン授業となった課程に登録している学生に対し、国務省はビザの発給を行わないと言明。該当する学生には入国許可が下りないと表明していた。対面授業とオンライン授業の両方の形式を採用する大学は、留学生の資格を維持する方法として、留学生ができる限り多くの対面授業を受講していることを示す必要がある。(c)AFP/Peter HUTCHISON