【7月7日 AFP】香港政府の教育局は6日、市内の各学校に対し、中国政府が先週同市に導入した国家安全維持法に違反する可能性のある教材や書籍の審査と撤去を命じた。

 同法は、国家の安全を脅かす犯罪として、国家分裂、政府転覆、テロ活動、外国勢力との結託を規定するもので、その内容は成立まで公開されなかった。当局は施行後すぐ、独立や自治を支持する政治的見解が新法の下では違法となることを宣言した。

 権利擁護団体や法律の専門家は、同法の幅広い言い回しが、香港市民の政治的自由に萎縮効果を生むとの懸念を示している。

 今月4日には、香港の公立図書館も、同法に違反するとみなされた書籍を審査のため撤去したと表明。撤去された書籍には、著名活動家の黄之鋒(ジョシュア・ウォン、Joshua Wong)氏の著作、民主派議員の陳淑荘(Tanya Chan)氏の著作のほか、同市の自決権拡大を提唱し、香港本土運動の父とされる陳雲(Chin Wan)氏の複数の著作が含まれる。(c)AFP