【7月7日 CNS】中国の大手ライドシェア企業「滴滴出行(Didi Chuxing)」は先月27日、インターネットと常時接続した「コネクテッドカー」に客を乗せて自動運転するテストを上海市内で始めた。

 コネクテッドカーはインターネットネットワークを通じてさまざまな情報の送受信をすることで、自動運転のほか渋滞を避ける最短ルートを通信センターから受信したり、事故に遭った時に警察や消防に自動通報したりすることが可能となる。車が盗まれた場合、その車の位置を追跡することもできる。

 上海市のテスト走行では、ユーザーが滴滴出行のアプリで申し込むと、自動運転車両を無料で呼んで試乗できる。走行範囲はテスト道路に限られ、オフィスエリア街や地下鉄の駅、ホテルなどの地域を経由する。

 自動運転車両が安全走行をしているか滴滴のスタッフが確認し、緊急時にはすぐ手動運転に変更する。また、モニタリングセンターから車両と道路状況をリアルタイムで監視して指示を随時出しており、順調に遠隔サポートができるかも確認している。自動運転中に大雨にも遭遇したが、アプリのシステムや運転に支障はなかった。

 滴滴出行CTOで自動運転の新会社のCEOも務める張博(Zhang Bo)氏は「滴滴アプリは、ドライバーが運転する通常の車両と自動運転車両をともに受け付けており、自動運転車両は試験エリアで利用している。自動運転は単なる物珍しい実験ではなく、日常の交通手段を補う役目を果たしている」と語った。

 滴滴出行創業者の程維(Cheng Wei)CEOは「人工知能(AI)がいずれ運転の安全性と効率を大幅に上げ、自動運転の技術やビジネスモデルが発展していくと確信している。その道のりはまだ険しくて長く、少なくともあと10年は投資が必要で、さまざまな困難と挑戦にも直面するだろう。しかし、方向としては明確で確実だ」と語った。

 滴滴出行は2016年に自動運転の研究開発チームを立ち上げ、現在は北京市、上海市、蘇州市(Suzhou)と米カリフォルニア州で道路試験の資格を取っている。(c)CNS/JCM/AFPBB News