【7月4日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は3日、サウスダコタ州ブラックヒルズ(Black Hills)のラシュモア山(Mount Rushmore)の麓で開催された、花火を打ち上げて独立記念日を祝う式典に出席した。密集した大勢の支持者の前で、人種間の平等を求める抗議運動は「暴力的な騒乱」だと批判する一方で、新型コロナウイルスの感染が再び急速に拡大している事態についてはほとんどコメントしなかった。

 大統領選の本選を4か月後に控えたトランプ氏は、国内で新型ウイルス感染症をめぐって悪化する事態への対応について非難を浴びているが、7月4日の独立記念日の前夜となるこの日、びっしりと集まった大勢の人々の前でスピーチ。多くの参加者が「もう4年」とシュプレヒコールを上げて応じたが、マスクをしている人はほとんどいなかった。

 ラシュモア山の花こう岩に刻まれたジョージ・ワシントン(George Washington)初代大統領、トーマス・ジェファソン(Thomas Jefferson)第3代大統領、セオドア・ルーズベルト(Theodore Roosevelt)第26代大統領、エーブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln)第16代大統領の巨大な顔の影の下で、トランプ氏は支持者に対し演説。

 人種間の平等を求める抗議運動の参加者について、「私たちの歴史を無にし、私たちの英雄をおとしめ、私たちの価値観を消し去り、子どもたちを洗脳する冷酷な運動」だと非難し、「私たちが通りや街で目にした暴力的な騒乱は…教育やジャーナリズム、その他の文化的な組織が何年もの間、過激な洗脳と偏向を続けてきたことを思えば、当然の結果だ」と付け加えた。

 抗議デモへの対応についても批判されているトランプ氏は、ラシュモア山を汚させたり、警察を解体したり、武装する権利を廃止したりすることはないと約束。歓声を上げる聴衆に、「彼らは私たちを黙らせたいのだろうが、私たちは黙らない」と訴え、「これまで以上に大声で、激しく、パワフルに発言して、私たちの国の高潔さを守る時だ」と付け加えた。(c)AFP/Jerome CARTILLIER