【7月4日 AFP】(更新)バドミントン男子、五輪で2個の金メダル獲得を誇る林丹(Dan Lin、リン・ダン、中国)が4日、現役引退を発表した。これにより、2008年北京五輪と2012年ロンドン五輪で金メダルを手にし、史上最高の選手との呼び声も高い36歳の元王者は、来年の東京五輪には出場しないことが決まった。

 林は中国版ツイッター(Twitter)の「新浪微博(Sina Weibo)」で「家族やコーチ、チームメート、ファンの皆さんは、絶頂のときも苦しいときも一緒についてきてくれた」「愛するこのスポーツにすべてをささげてきた」と述べ、この投稿はすぐさま拡散した。

 五輪で2個の金メダルを手にしたほか、世界選手権(TOTAL BWF World Championships)を5度制し、世界ランキング1位にも長く君臨した林は、全盛期には「スーパー・ダン」の異名を取ったが、近年は年齢や故障に苦しむ中で尻すぼみになっていた。

 これまでも常に東京五輪出場への意欲を口にしていたが、現在の世界ランクが19位であることに加え、新型コロナウイルスの影響で大会は1年延期となり、自身最後の五輪で有終の美を飾るという夢の実現は難しい状況でもあった。

 しかし、林は自身の体が限界を迎えたと明かし、「現役としてのキャリアを延命できるよう、苦しいときはいつも『忍耐』という言葉を言い聞かせてきた」「若いときのように単純にランキングを追い求めるというよりも、ここ数年は『ベテラン』選手の体の限界に挑戦し、絶対に諦めないというスポーツ精神を体現してきた」「だが、体の状態や痛みによって、仲間と一緒に戦うことができなくなった」と語った。

 男子バドミントン界では昨年、林の最大のライバルで友人でもあるマレーシアのリー・チョンウェイ(Chong Wei Lee)氏も現役を引退。両者は数年前まで10年以上にわたり、競技の頂点に君臨していた。(c)AFP