【7月3日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は2日、労働省が発表した6月の雇用統計で就業者数が大幅に増加したことを歓迎した一方で、暫定的な回復を覆す可能性もある新型コロナウイルス感染者の急増については軽視する姿勢を維持した。

 労働省が同日発表した雇用統計によると、先月の就業者数は480万人増加。うち200万人は新型ウイルスの流行で大きな打撃を受けたレジャー・ホスピタリティー業界での増加だった。失業率は2ポイント改善し、11.1%となった。

 今回の統計と5月就業者数増分の270万人を合計すると、3月半ば以降に失職した2200万人余りのうち、これまでに750万人の雇用が回復した計算となる。

 11月の大統領選挙での再選に向けて力強い経済を必要としているトランプ氏は、ホワイトハウス(White House)で記者団に対し、労働省の統計発表を詳細に読み上げ、就業者数の増加幅の一部は過去最多となったと指摘。就業者増加の背景には、新型ウイルス流行に伴い3月以降に膨大な数の失業者が出ていたことがあるが、トランプ氏はそれには言及しなかった。

 トランプ氏は「きょうの発表は、われわれの経済が盛り返していることを証明するものだ」と表明。「危機は対処されている」とし、「今起こっていることは、単なる運ではない。多くの手腕(による成果)だ」と述べた。

 雇用統計は対象月の12日を含む1週間のみを対象としたデータに基づきまとめられており、6月の雇用統計は最近起きている感染拡大以前の状況を示したものとなる。

 米国での死者は12万7000人を上回っており、1日の新規感染者数は過去最多の5万人に到達。国内各地の当局は経済活動の再開計画を撤回し、店舗が再び閉鎖に追い込まれる中、エコノミストらは状況が再び悪化に転じることを懸念している。

 米労働省が発表した別の統計によると、6月27日までの1週間の新規失業保険申請件数は143万件で、前週から微減にとどまった。(c)AFP/Heather SCOTT