【7月2日 AFP】新型コロナウイルス検査で陽性となった男子テニス、世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)の影響を受けた母国のある市に約4万ユーロ(約480万円)を寄付した。地元メディアが1日、報じた。

 同国スポーツチャンネルのSportKlub TVは、33歳のジョコビッチが新型コロナウイルスの流行と闘う南西部のノビパザル(Novi Pazar)市に寄付をしたと伝えた。同市は感染拡大を受け、6月下旬に緊急事態を宣言している。

 5月上旬に流行の第一波を抑え込むことに成功したセルビアは、現在新たなステージを迎えたとされており、一日の感染者数は1か月前の約50人から200人以上に増加している。

 同国は、6月中旬にジョコビッチがエキシビション大会をベオグラードで開催することを認めて注目を集めた。この大会は参加者から新型コロナウイルス感染者が出たため、中止となった。

 このアドリア・ツアー(Adria Tour)参加後、ジョコビッチをはじめ、グリゴール・ディミトロフ(Grigor Dimitrov、ブルガリア)やボルナ・チョリッチ(Borna Coric、クロアチア)、ヴィクトル・トロイキ(Viktor Troicki、セルビア)の陽性が判明。さらにジョコビッチのコーチ、ゴラン・イワニセビッチ(Goran Ivanisevic)氏も感染者となった。

 ジョコビッチは各方面から批判を浴び、その後最小限のソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)しか採用されず、数千人のファンが観戦した主催大会について謝罪している。

 人口約700万人のセルビアでは、これまで新型コロナウイルスに約1万5000人が感染し、281人が亡くなっている。(c)AFP