【7月2日 AFP】アフリカ東部のエチオピアでは今週、最大民族オロモ人(Oromo)の人気歌手が殺害された事件を発端とした激しい抗議デモが続いており、警察当局によると1日までの2日間で少なくとも81人が死亡した。

 6月29日夜に起きた事件では、オロモ人歌手ハチャル・フンデッサ(Hachalu Hundessa)さんが銃撃を受け死亡。首都アディスアベバとその周辺では翌30日からデモが続き、同国政府は騒乱を鎮めるためインターネットを遮断した。

 ハチャルさん殺害の動機は不明だが、警察当局は複数の容疑者が逮捕されたと明らかにしている。

 ハチャルさんは音楽を通じてオロモ人が抱く社会的な疎外感を代弁し、人気を博していた。オロモ人の不満は数年にわたる反政府デモを引き起こし、2018年にはアビー・アハメド(Abiy Ahmed)氏がオロモ人初の首相に就任した。

 人口1億人の多民族国家であるエチオピアでは近年、民族間の衝突により死者が出る事態が続いており、強権支配が長年続いた同国でアビー首相が進める民主改革の大きな障害となっている。(c)AFP