【7月1日 Xinhua News】中国山西省(Shanxi)太原市(Taiyuan)の山西博物院では、昨年12月から「壁上乾坤ー山西北朝墓葬壁画芸術展」が開催されており、これまでに多くの愛好家が見学に訪れている。同展は省内で見つかった北朝時代の墓葬「婁睿(ろうえい)墓」「九原岡墓」「水泉梁墓」の壁画を展示。1500年前の絵画芸術と社会の様相を垣間見ることができる。

 山西省は北朝時代、北魏やその後の東魏、北斉の統治区域の中心地であり、同省内で出土した北朝時代の遺物の中でも墓葬壁画は特に注目されている。

「北斉婁睿墓壁画」は1979年に太原市で出土した。北斉の軍人・政治家で東安王に封じられた婁睿とその夫人の墓で、墓室には天象図や妖怪、神獣などが描かれていた。墓道や甬道(ようどう)などでは、被葬者の生前の華やかな生活を反映した「鞍馬遊騎図」や「軍楽儀仗図」なども見つかった。

「水泉梁北斉壁画墓」は朔州市で2008年に見つかった。専門家は被葬者について、朔州を治めた軍政長官だったと推測している。「墓主夫妻宴飲図」「出行儀仗図」「楽手鼓吹図」などの壁画が残されている。

 忻州市(Xinzhou)の「九原岡北朝壁画墓」は、2013年に盗掘被害を受けたことで緊急発掘が実施された。被葬者の身分は確定できていない。墓室の壁画の9割は破壊されていたが、墓道の東西両側に昇天や狩猟、隊列を組んだ外出などの場景を描いた壁画が残されている。

 文化財関連部門はこれら三つの壁画を別の場所に移動し、保護と修復を進めている。(c)Xinhua News/AFPBB News