【6月30日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)、メンフィス・グリズリーズ(Memphis Grizzlies)の新人ガードであるジャ・モラント(Ja Morant)が29日、「反警察」的なメッセージをソーシャルメディア上にリポストしたことについて謝罪した。

 昨年のNBAドラフトで全体2位指名を受け、7月30日に米フロリダ州オーランド(Orlando)で再開されるシーズンにグリズリーズを押し上げた20歳のモラントは、28日に自身の背番号12のユニホームに4文字の悪態が書かれている画像をツイッター(Twitter)にリポストした。「12」は警察を示すスラングとなっている。

 このツイートに先立ち、来月にシーズンが再開された際にはユニホームをカスタマイズして社会的正義を掲げることをNBAが許可する可能性があると報じられていた。

 モラントは問題の投稿を削除した後、29日には警察全体を批判するつもりはなかったとして、「最初に謝罪したいのは、自分が共有したい物事を明確かつ正確に伝えていないメッセージをリポストしてしまったことだ」とツイートした。

「自分の投稿は、武器を持たない黒人男性や黒人女性を死亡させたことから逃れている悪い警察官や、平和的に『Black Lives Matter(黒人の命は大切)』の抗議デモに参加している人々に嫌がらせを続けている連中に向けられたものだ」

 マレー州立大学(Murray State University)出身で昨季の全米大学体育協会(NCAA)のバスケットボールでアシスト王に輝いたモラントは、非武装の黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さんが警察の拘束下で死亡した事件をきっかけに、反人種差別や社会正義を訴える抗議デモが起きている状況を受けて声を上げた。

「中には良い警官がいることは知っている。知り合いもいるし、家族にもいる」「マレー州立時代に世話になり、グリズリーズでも見守り続けてくれている警官たちには感謝している」

 今季のモラントはグリズリーズで1試合平均17.6得点、6.9アシスト、3.5リバウンドを記録。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で3月にシーズンが中断された時点で、チームは通算成績32勝33敗でウエスタンカンファレンス8位につけていた。

 ウエスタンカンファレンスでは、他に5チームがプレーオフ出場圏内の8位争いを繰り広げることになっている。(c)AFP