【6月30日 Xinhua News】中国山西省(Shanxi)太原市(Taiyuan)から南西20キロの山中に、全国重点文物保護単位(国宝・重要文化財に相当)に指定される太山竜泉寺がある。境内にある唐代の仏塔跡の地下から五重に密封された仏舎利容器が出土したことから、毎年十万人余りが参拝に訪れる。同市の太山文物保管所は現在、仏塔遺構の展示ホールを建設しており、条件が整えば容器を公開するとしている。

 遺構は2008年、境内の貯水池の建設中に見つかった。緊急発掘調査の結果、基礎だけ残された仏塔の跡であることが分かった。基礎の下には砂と石で造られた地宮(地下空間)があり、内部に外側から石製、木製、金メッキ銅、銀、金の容器が入れ子になった宝物容器が納められていた。唐代の典型的な仏舎利容器の形状をしており、唐王朝最盛期(7世紀中頃~8世紀中頃)の工芸技術の高さを示していた。

 外側の石製容器は長さ約58センチ、幅約46センチ、高さ約60センチで、ふたと本体からなる。施された銘文には、中国史上唯一の女帝・武則天(則天武后)が建てた武周王朝(690年~705年)でのみ用いられた特殊な文字「則天文字」が使われていた。女性の奉納者の名も多く記されており、武周期に女性の位が高かったことと一致している。

 5重の容器の中でも銀の容器が最も精巧に作られていた。大きさは長さ約13センチ、幅約6センチ、高さ約7センチ。宝石百個余りがはめ込まれており、四面には木製、金メッキ銅の容器と同様、仏足や青竜、白虎、朱雀、玄武、門環(ドアノッカー)などの装飾が施されていた。(c)Xinhua News/AFPBB News