【6月29日 AFP】7月末に再開する米プロバスケットボール(NBA)で、社会正義を支持するスローガンや慈善団体の名前をユニホームに記すことが認められるかもしれないことが分かった。米スポーツ専門チャンネルESPNが28日に報じた。

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 選手協会(NBPA)の会長を務めるオクラホマシティ・サンダー(Oklahoma City Thunder)のクリス・ポール(Chris Paul)が、ESPN系列のウェブサイト「The Undefeated」で、選手側とリーグがこの取り組みについて話し合いを行ったことを明かした。

 報道によれば、再開後のリーグでは選手名のかわりに「黒人の命は大切」や「息ができない」といったメッセージを書いたユニホームが許可される。この二つは、ジョージ・フロイド(George Floyd)さんが殺された5月のミネソタ州の事件に対する抗議活動の中で、参加者が叫んだことで有名になった。

 ポールは「選手が今もずっと話題にしているさまざまな社会問題について、引き続き光を当てることを目指していく」「リーグが再開したら選手はみんなこの問題を忘れてしまうという人もいるが、ユニホームに書けばそれも防げる」と話した。

 フロイドさんの事件後、全米に広がった抗議活動を支持するNBA選手の動きは目立っており、ポールも今月ロサンゼルスで行われた抗議イベントに参加した。ポールによれば、人種差別や警察の暴力への抗議以外のメッセージも認められるが、掲示は強制ではないという。

 話し合いに参加した選手の反応は良かったとのことで、ポールは「話をした選手はみんな非常に喜んでいた」と明かしている。

「僕がこの件に情熱を燃やし、うれしく思っているのは、声なき人たちに声を与えられるからだ」「選手が熱心に取り組んでいる活動に光を当てる機会にもなる」

 新型ウイルスの影響で中断しているNBAの19-20シーズンは、フロリダ州オーランド(Orlando)で7月30日から再開する予定となっている。(c)AFP