【6月29日 AFP】イタリアを発着する旅客機の乗客は、機内に持ち込む手荷物を頭上の棚に収納できないとする新規則が、同国の民間航空局(ENAC)によって決定された。

 この新規則は、新型コロナウイルスのさらなる感染拡大を懸念し、機内への持ち込みが認められる手荷物は、前の座席下に収納できる程度の小さなものに限定されると規定した政令に基づくもの。

 乗客同士が近接するのを防ぎ、客室内での動きを制限するのが目的だという。

 ENACによると乗客は、貨物室にスーツケースを預け入れる場合に追加料金を支払う必要はない。

 イタリアの消費者団体「コダコンズ(CODACONS)」は26日、乗客が頭上の棚に手荷物を収納する際に時折発生する「混乱」を防ぐとして、今回の決定を歓迎する姿勢を示し、「イタリア人はこうした面で、欧州屈指の手に負えない乗客であり、目下の感染リスクに拍車を掛ける遅延や行列を引き起こす」と述べた。

 イタリアは欧州で最初に新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われた国で、これまでの死者は3万4700人を超えている。(c)AFP