【6月24日 AFP】サウジアラビアは22日、7月下旬から始まるイスラム教の大巡礼ハッジについて、新型コロナウイルスの流行抑制のために今年は「大幅に制限して」行うと発表した。すでに入国している巡礼者には礼拝を許可するという。

 ハッジはイスラム教の五行の一つであり、健康であれば一生のうち一度は行わなければならない義務である。しかし、礼拝場所には数百万人もの巡礼者が押し寄せるため、新型コロナウイルスの感染が広がる可能性が高い。

 サウジは感染増加の抑制に苦戦しており、国内の感染者数は約16万1000人に上り、死者は1300人を超えた。

 ただし、ハッジを制限する決定は、健康上の懸念より信仰を重視する強硬派のイスラム教徒らの反発を招く恐れがある。

 また、サウジはすでに新型コロナウイルスによる経済減速と原油安の打撃を受けており、ハッジの制限による多大な損失も懸念されている。

 映像はイスラム教の聖地メッカ(Mecca)にあるカーバ(Kaaba)神殿やメッカから15キロほど離れたアラファト山(Mount Arafat)、メッカの近郊ミナ(Mina)。23日撮影。これらの場所は例年、多くの巡礼者がハッジのために訪れる。(c)AFP