【6月23日 AFP】ハンドサイクルのレース中にトラックと衝突し、頭部に重傷を負った元フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)ドライバーのアレックス・ザナルディ(Alex Zanardi)の容体について、治療を担当している医師団が22日、事故から3日が経過した現在も深刻な状況に変わりないと明らかにした。

 イタリア出身のパラリンピック選手で現在53歳のザナルディは、19日の事故以来、母国シエナ(Siena)近郊の病院で人工的な昏睡(こんすい)状態に置かれ、呼吸器につながれている。

 同医院救急科の医長は報道陣に対して、「救命救急から3日目の夜も変わりなく過ぎた」と最新情報を発表した。「心肺と代謝の状態に変化がない一方で、神経画像は依然として深刻である」「脳を休ませる必要がある。しかしながら、深刻な状況にもかかわらず、日々良い兆しを見せている」

 イタリアで開催されていたハンドサイクルのリレーレース「オビエッティボ・トリコローレ(Obiettivo tricolore)」で、ザナルディはコントロールを失ってトラックと衝突する事故に遭遇。頭部を負傷したほか、顔の複数箇所を骨折し、視力にも問題が生じる可能性があるとされている。

 参加者がハンドサイクルや車いす、自転車などでイタリアを横断するこの大会の事故をめぐっては、すでに捜査が開始されている。(c)AFP