【6月22日 AFP】元フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)ドライバーで、19日にトラックと衝突する事故に遭ったアレックス・ザナルディ(Alex Zanardi)の容体について、事故から2日がたって安定しているのは「明るい」兆候だと医師が話した。

 ザナルディが入院しているシエナ(Siena)近郊の病院の救急科の医長は、報道陣に対して「時間がたつ中でも容体が依然として安定しているのは明るい材料で、希望が持てる」「状態が後退していないのは、われわれにとって大きな自信になる」と話した。

 約20年前のレース事故で両脚を切断した後、ハンドサイクルのパラリンピック金メダリストとなったザナルディは、イタリア国内のレースで自転車のコントロールを失い、トラックと衝突。ヘリコプターで病院へ緊急搬送され、繊細さを要求される3時間の神経修復手術を受けた後、呼吸器をつけて人工的な昏睡(こんすい)状態に置かれている。頭部のけがは重く、顔の複数箇所を骨折し、視力に問題が生じる可能性もある。

 医長は「合併症の可能性は排除できない」「救急救命室へ搬送されてきたときと比べても、状態は大きく変化している」「容体が今後も安定していてくれることを願っている。そうすれば、今週中にも神経の状態を評価できるだろう」と話している。

 事故をめぐる状況の捜査はすでに始まっている。トラックの運転手に対する事情聴取が行われ、トラックが押収された他、ザナルディのハンドサイクルと携帯電話も回収されている。(c)AFP/Emmeline MOORE