【6月18日 AFP】新型コロナウイルスの家庭内感染率は、重症急性呼吸器症候群(SARS)と比べて2倍、中東呼吸器症候群(MERS)と比べると3倍高いとする感染症モデル研究の結果が18日、英医学誌ランセット(The Lancet)に発表された。症状が出る前に二次感染が起きているケースが多いという。

 中国と米国の研究者は、中国・広州(Guangzhou)市の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者350人と濃厚接触者約2000人に関するデータを用い、新型コロナウイルスの二次感染率を試算した。データは今年1~2月に収集されたものに直近の状況を反映して更新をかけ、使用した。

 研究の結果、同居していない相手にウイルスが感染する確率は平均2.4%なのに対し、同居者の場合は17.1%に跳ね上がることが分かった。また、家庭内感染が起こる確率は60歳以上で最も高く、20歳以下で最も低かった。

 注目に値する発見は、無症状のCOVID-19感染者から家族や同居人への感染率が39%と、発症後に比べて非常に高い点だ。

 広州市疾病予防抑制センター(Guangzhou Center for Disease Control and Prevention)の研究者は、「潜伏期間中の感染率が高いことから、無症状の接触者に対して隔離措置を取っていれば感染の拡大を防げた可能性がある」と指摘している。(c)AFP/Patrick GALEY