【6月12日 AFP】トルコ・イスタンブール裁判所は11日、2016年のクーデター未遂事件に関連し「武装テロ組織を支援した」として、在トルコ米総領事館の現地職員に禁錮8年9月を言い渡した。判決に対しては、北大西洋条約機構(NATO)の同盟国である米国から批判の声が上がっている。

 半国営アナトリア(Anadolu)通信によると、イスタンブールで米麻薬取締局(DEA)の連絡員として勤務していたメティン・トプズ(Metin Topuz)被告は、17年に逮捕された。

 同被告は、在米イスラム指導者フェトフッラー・ギュレン(Fethullah Gulen)師とつながりがあるとされる警官と検察官に連絡を取ったとされた。トルコ政府はギュレン師を16年のクーデター未遂の黒幕だとしているが、ギュレン師はこれを否定している。

 民営のデミルオレン通信(DHA)によると、トルコ国民であるトプズ被告は無罪を訴えている。被告の弁護人はAFPに対し、控訴したと述べた。

 被告は前回の公判で、当時警察高官や検察官らに接触したのは「DEAの通訳兼連絡担当補助としての職務の一環だった」と主張していた。今回、政治・軍事情報のスパイ行為については無罪とされた。

 マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は「今回の有罪判決は、トルコの制度および米国との関係の基礎にある重要な信頼を損ねるもの」であり「直ちに覆される」ことを望むと述べた。

 トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領政権の転覆を狙ったクーデター未遂事件以降、ギュレン師とつながりがあるとしてこれまでに数万人が訴追され、10万人以上が公職から解任または停職処分を受けた。(c)AFP/Fulya OZERKAN