【6月8日 AFP】ボクシング、WBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)とデオンテイ・ワイルダー(Deontay Wilder、米国)による3度目の対戦の候補地として、オーストラリアのシドニーが名乗りを上げていることが分かった。プロモーターはボクシングデー(12月26日)の開催を目指している。

 国内紙オーストラリアン(Australian)によれば、プロモーターのディーン・ロナーガン(Dean Lonergan)氏が市西部のバンクウエスト・スタジアム(Bankwest Stadium)を仮押さえしたという。他には中国の特別行政区マカオ(Macau)も招致している。

 ロナーガン氏は同紙に対して「6週間ほど前、ボブ・アラム(トップランク<Top Rank>社のプロモーター)にメールで提案した。タイソン・フューリー対デオンテイ・ワイルダーのヘビー級タイトルマッチをこっちでやらないかとね」「提案した日取りは12月26日で、それなら米国では(放送が)クリスマスの夜になる」と語った。本人から直接確認のコメントは取れていない。

 両者の対決は、2018年12月の第1戦は物議を醸す判定の引き分けに終わり、今年2月にラスベガス(Las Vegas)で行われた第2戦は、フューリーが7回TKOでワイルダーに圧勝し、無敗を守るとともに王座を奪取した。

 その後、ワイルダーはその試合の契約に含まれていた再戦条項を行使して第3戦の実施が決まったが、当初予定されていた7月18日の開催は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)によって白紙になり、新たな日程はまだ決まっていない。

 アラム氏は英スカイ・スポーツ(Sky Sports)による前週のインタビューで、シドニーやマカオが候補に入っていることを認めている。どちらも新型ウイルスの抑え込みに成功しつつあり、観客を入れて試合を行える確率は、英国や米国よりも高いようにみえる。

 観客の入場が認められれば、当初の予定通りラスベガスで開催される可能性も残っている。

 ボクシングデーは、108年前にアフリカ系米国人のジャック・ジョンソン(Jack Johnson)氏がシドニーでトミー・バーンズ(Tommy Burns)氏を破り、黒人初のヘビー級世界王者になった日。ロナーガン氏は、その日に試合を開催できれば象徴的だと話している。(c)AFP