【6月8日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、ニューオーリンズ・セインツ(New Orleans Saints)でプレーするQBドリュー・ブリーズ(Drew Brees)の妻は7日、夫が選手による国歌演奏中の膝つき抗議に関する発言をした後、家族の元に「殺しの脅迫」があったことを明かした。

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 ブリーズは前週、国歌演奏中に膝をついて米国黒人の扱いに抗議する選手には賛成しないと発言し、レブロン・ジェームズ(LeBron James)ら同胞のスポーツ選手を含む多方面から激しい批判を浴びた。

 その後すぐに謝罪すると、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領からは考えを改めるべきではなかったとの声も上がったが、ブリーズは大統領のツイートに対して「これは米国旗の問題ではないと認識している。今も昔もだ」「もう私たちは、国旗を持ち出して黒人コミュニティーが直面している真の問題から人々の目を背けさせたり、注意をそらしたりすることは許されない」と返し、自身の立場を強調した。

 ブリーズの妻ブリタニー(Brittany Brees)さんはこの日、ソーシャルメディアの投稿で殺しの脅迫やヘイトを受けたことを明かした上で、「私たちは耳を傾けていない。ホワイトアメリカは聞いていない。それが問題だ」とコメント。今後一家は黒人コミュニティーと連帯し、警察の暴力やマイノリティーに対する人種差別との闘いに協力すると誓った。

 ここ1週間、警察の暴力や人種差別に対する抗議デモの波は全米に拡大しており、2016年に国歌演奏中に膝をついて論争に火をつけたNFLの元スター、コリン・キャパニック(Colin Kaepernick)を支持する声が多くのアスリートから上がった。

 人種差別に関心を集めるために起立を拒否したというキャパニックは、その後リーグから締め出され、過去4年間は所属チームがない。

 そうした中、NFLのロジャー・グッデル(Roger Goodell)コミッショナーは6日、リーグは「人種差別と黒人に対する構造的な抑圧」を非難すると表明し、国歌演奏中に膝をつく選手に処分を科さない可能性を示唆している。(c)AFP