【6月7日 AFP】イングランドラグビー協会(RFU)は6日、11月のテストマッチシリーズまでにソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)のルールが緩和されていれば、観客増による1200万ポンド(約16億7000万円)の収入アップが見込めると話し、英政府に検討を求めた。

 英国では現在、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ手段の一つとして、公共の場では人との距離を2メートル以上空けることが強く推奨されている。

 しかしRFUのビル・スウィーニー(Bill Sweeney)最高経営責任者(CEO)は、それが周囲に1メートルの空間があればいいということに変われば、収容人数8万人の代表のホーム、トゥイッケナム・スタジアム(Twickenham Stadium)に入れる人数も劇的に増加すると話した。

「距離を2メートル空けるには、周囲に4メートルの安全な空間が必要になる」「これが仮に周囲1メートルであれば、キャパシティーは4倍になる」

「8万人のスタジアムで2メートルのルールを適用し、他の人をすり抜けたり、触れたりせずにトイレを使うための人の流れなどを考慮すると、入れられる人数は9000~9500人にまで減る」

「こんなに少なくなるとは思っていなかったから驚いた。これが世界保健機関(WHO)の指針にある1メートルになれば、(観客は)4万人近くなるし、秋にはそういう状況になっていてほしい」

 スウィーニー氏は、観客増のために安全面を軽視するつもりも、政府の規制に逆らうつもりもないと強調しつつ、「2メートル空けることが絶対に必要なのか、それとも1メートルでも構わないのかをはっきりさせてほしい」と話した。

 イングランドはニュージーランド、アルゼンチン、トンガ、オーストラリアと対戦する11月のホーム4試合を予定通り開催したいと考えている。

 観客同士の距離が2メートルか1メートルかで、経済的にはどれほどの違いがあるのかという問いに対し、CEOは「対戦相手とチケット価格次第だ」「おそらく1試合300万ポンド(約4億1600万円)くらいだろう。それに屋外であれば売店も営業できると信じている」と答えた。(c)AFP/Julian GUYER