【6月6日 AFP】インド南部ケララ(Kerala)州で、妊娠中のゾウが爆発物の詰まった果物を食べて死んだ事案について、当局は4日、捜査を実施すると明言した。この出来事を受け、クリケットや映画界のスターからも怒りの声が上がっていた。

 南アジアでは最近、都市化によってさらに森林が失われたことによって大型動物と人間とのあつれきが増え、被害が相次いでいる。

 ゾウは先週、重傷を負った口と胴体が水に漬かった状態で川の中に数時間立ち尽くしたまま、徐々に衰弱して死んだ。その様子を捉えた映像が拡散されると、怒りの声が広がり、実行者を死刑にするよう求める声すら寄せられた。

 同国のプラカシュ・ジャバデカル(Prakash Javadekar)環境・森林・気候変動相はこれに対し、行動を起こすと明言。

 ツイッター(Twitter)で、「中央政府はケララ州マラップラム(Mallapuram)でゾウが死んだことを非常に深刻に捉えている」「われわれは、適切に捜査して犯人を捕まえるため、草の根を分けても捜し出す。爆発物を食べさせて殺すようなことは、インドの文化ではない」と強調した。

 ゾウの死に関して警察が今も捜査中の一方で、今回の件はただの無神経さや残虐さによって引き起こされたものではない可能性が高い。

 インドやスリランカなどの村落に住む貧しい人々は、野生動物から自分たちの農場や家を守るため、圧力式地雷の要領で起爆する爆発物の詰まったパイナップルをしばしば使用するという。(c)AFP