【6月6日 AFP】リビア国民統一政府(GNA)は5日、東部を拠点とする元国軍将校の実力者ハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)司令官率いる有力軍事組織「リビア国民軍(LNA)」が西部に持っていた最後の拠点で、首都トリポリ攻撃の後方基地としていた首都南東のタルフナ(Tarhuna)を奪還したと発表した。

 トルコの軍事的支援を受けていたGNAは前日の4日、トリポリ首都圏を再び完全に支配下に置いたと発表していた。

 昨年4月に首都トリポリへの進軍を始めたハフタル氏のLNAは今週、進軍してきたGNA側の部隊の前にトリポリ南郊に最後まで維持していた複数の拠点を放棄し、14か月続いた首都攻勢は失敗に終わった。

 GNAのファイズ・シラージュ(Fayez al-Sarraj)暫定首相は、主要支援国トルコとの協議の後、「われわれの戦いは続く。われわれは敵を倒し、わが祖国全体に国の支配を行き届かせる」と述べ、GNAがリビア全土を統治する意欲を示した。

 LNAのアフマド・メスマリ(Ahmad al-Mesmari)報道官は4日夜、「リビア国民をこれ以上の流血の事態から守る人道主義的な姿勢を示すため」、LNAが首都から「転進」したことを認めた。

 ハフタル氏が「テロリスト民兵」と呼ぶGNAを首都から一掃するとして始めた攻勢でこれまでに数百人が死亡し、約20万人が家を追われた。