【6月6日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)のレジェンド、マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏が5日、全米で抗議デモが拡大している中で、人種間の平等や社会的正義のために闘う団体に対して総額1億ドル(約110億円)を寄付すると表明した。

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 ジョーダン氏は米スポーツ用品大手ナイキ(Nike)傘下の「ジョーダン・ブランド(Jordan Brand)」が、「根深い人種差別」の撲滅を目指して今後10年間でさまざまな団体に寄付を行うと明らかにした。明言された金額は、スポーツ界の有名人が非営利団体に寄付するものしては史上最大規模に上るとみられている。

 ジョーダン氏はジョーダン・ブランドと共同でコメント文を発表し、「今は2020年で、当ファミリーはわれわれの生き方に強く賛同してくれるすべての人を受け入れている」とすると、「それでも、物事が変わっていくのと同等に、最悪の面も変わらずに残っている」と訴えた。

「黒人の命は大切だ。これは論争を目的としているのではない。この国の制度を破綻させる根深い人種差別が完全になくなるまで、われわれは黒人の命を守り、より大切にしていく活動を続けていく」

「マイケル・ジョーダンとジョーダン・ブランドは本日、人種間の平等や社会的正義、そして最大限の教育機会を目指して活動する団体に、今後10年間で1億ドルを寄付することを発表する」

 純資産21億ドル(約2300億円)と推測されるジョーダン氏が寄付を表明したのは、先月25日に米ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で非武装の黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さん(46)が警察に拘束されて死亡し、前代未聞の抗議デモが全米に広がっている状況を受けてのものとなっている。

 フロイドさんの事件以降、米国では全50州において大規模な抗議デモが発生しており、デモの参加者が警察の蛮行や組織的な人種差別をなくすことを訴えている。

 NBA史上最も偉大な選手との呼び声が高い57歳のジョーダン氏は、先月31日にフロイドさんの死亡事件を強く非難し、「深く悲しみ、本当に胸が痛く、純粋に怒っている」「もうたくさんだ」という感情的なコメントを出していた。(c)AFP