【6月5日 AFP】(更新、写真追加)イランで約2年間拘束されていた米海軍退役軍人マイケル・ホワイト(Michael White)氏が4日、解放されイランを出国した。米国でも米・イラン二重国籍の医師が釈放された。3日には、2016年から米当局に身柄を拘束されていたイラン人科学者がイランに帰国していた。

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 ホワイト氏の母親、ジョアン・ホワイト(Joanne White)さんは文書で「悪夢が終わり、息子が無事帰途に就いたと発表することができ、うれしく思う」と述べた。

 ホワイト氏はスイス軍機でチューリヒに移動し、そこで米高官の出迎えを受けた。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、ホワイト氏と電話で話したことを明かし、ツイッター(Twitter)に「ありがとうイラン、取引は可能だと示した!」と投稿。対イラン交渉の進展に期待を示した。

 トランプ氏はこれに先立ち、ホワイト氏の解放を歓迎するツイートで、「海外で拘束下にあるすべての米国人を確実に解放する取り組みを決してやめない。スイスの素晴らしい支援に感謝する」とも表明している。

 米国の元国連大使で、ホワイト氏の解放に向けイラン当局高官らと面会したビル・リチャードソン(Bill Richardson)氏によると、ホワイト氏はイランで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査で陽性反応を示し、治療を受けていた。

 13年間海軍に所属したホワイト氏は2018年7月、イラン北東部マシャド(Mashhad)で拘束された。ネットで知り合った女性を訪問した後だったと伝えられている。同氏は最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師の侮辱と偽名によるソーシャルメディアへの反体制発言の投稿で、2019年、最低10年の禁錮刑を言い渡されていた。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)がイランに深刻な打撃をもたらし始めた3月、ホワイト氏はスイスの拘束下に置かれ、空路で首都テヘランに移されたものの出国は禁じられていた。リチャードソン氏によると40代で既往症があるホワイト氏は治療のためテヘランで入院し、治療中以外はホテルに滞在していた。(c)AFP/Shaun TANDON