【6月4日 AFP】古代イスラエル人たちが宗教儀式の際に精神活性化のために大麻を使っていた可能性が非常に高いことが、テルアビブ大学(Tel Aviv University)考古学研究所が発表した論文で明らかになった。

 大麻使用の形跡が発見されたのは、現在イスラエルが占領下に置くパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)の南に広がるネゲブ砂漠(Negev Desert)にある紀元前8世紀のテルアラド(Tel Arad)遺跡。

 考古学チームは、この大麻の存在は、「ユダ(Judah)王国における宗教的儀式の一環として、精神状態を変化させる物質を使用していたことが証明された」とし、今回の発見は「古代中近東における大麻使用を証明したものとしては最古」だと述べた。

 ユダ王国は紀元前約940年から紀元前586年まで続き、エルサレム(Jerusalem)を中心としていたが、バビロニアのネブカドネザル(Nebuchadnezzar)王によって滅ぼされた。

 調査チームは、「アラドで大麻は意図的に精神に影響を及ぼし宗教的儀式の一部として恍惚(こうこつ)感を刺激するために使用されたとみられる」と指摘している。(c)AFP