【6月3日 AFP】世界反ドーピング機関(WADA)によって下された4年間にわたる国際スポーツ大会への出場禁止処分は不服であるとして、ロシア反ドーピング機関(RUSADA)が出した異議申し立てに関する審理が、11月に延期された。スポーツ仲裁裁判所(CAS)が2日、AFPに明かした。

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 当初7月に予定されていた審理は11月2日から5日まで行われるが、場所は未定。WADA側からは公開すべきという主張があったが、審理は非公開になる見通しとなっている。

 WADAは昨年12月、RUSADAが検査所のデータを捏造(ねつぞう)していたとして、ロシア側に処分を言い渡した。

 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は1月、IOCと各国際連盟は「解釈の余地を一切残さない」CASの裁定を必要としていると述べていた。

 仮にWADAの処分が確定すれば、ロシアは延期になった東京五輪や2022年の北京冬季五輪、また同年のサッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)に出場することができない。

 この処分は同国アスリートの競技参加を禁じるものではないが、選手は中立の立場での出場となり、国歌も流れない。(c)AFP