マルタでロシア製のリビア紙幣押収 米は「偽札」扱い、ロは反論
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【6月1日 AFP】地中海の小国マルタで、ロシアで製造された約1200億円相当のリビア紙幣が押収されたとの報道があった。これについて米国務省は「偽札」だと指摘し、ロシア側は反論している。
現地紙「マルタ・トゥデー(Malta Today)」はフェイスブック(Facebook)の公式ページで、マルタで1200億円相当の「偽造紙幣」が押収されたと報じたが、現在は閲覧できなくなっている。これまでのところ、マルタ当局からの公式発表はない。
米国務省は5月29日、マルタを称賛し、「偽札」は「非合法的なもう一つの組織から発注されていた」と断言。
リビア首都トリポリに本部を置くリビア中央銀行が同国唯一の合法的な中央銀行であり、「近年ロシア製通貨が流入していることで、リビアの経済問題が悪化している」と批判した。
これに対しロシア外務省は30日、同国の国有企業「ゴズナク共同出資会社(Joint Stock Company Goznak)」が製造した紙幣は法定通貨だと反論。
「リビアに事実上2つの政府が存在する現状にあっては、2つの中央銀行が存在するということを指摘しておきたい」と述べた。
リビアは現在、国際社会が認知するトリポリ拠点の国民統一政府(GNA)と、首都占拠を狙い1年にわたり攻撃を続ける東部拠点のハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)司令官率いる部隊との間で分裂状態にある。(c)AFP/Ljubomir MILASIN