【5月31日 AFP】ブラジル保健省は30日、新型コロナウイルスによる死者数が累計で2万8834人になったと発表した。フランスを超え、世界で4番目に多い死者数となった。

 同省によれば、過去24時間で新たに3万3274人が感染し、1日での新規感染者数としては最多となった。これで合計感染者数は49万8444人に上り、国別感染者数で米国に次ぐ世界2位となっている。

 保健省は、いつ感染のピークを迎えるか「予測する方法はない」と述べている。専門家らは、広範な検査が行われていないため、実際の感染者数は政府統計よりも多く、15倍にもなる可能性があると指摘している。

 南米における新型コロナ流行の中心地となっているブラジルでは、各州の知事や市長など地方自治体の首長らが厳格な封鎖措置を実施している一方で、経済活性化で再選を狙うジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領がそうした首長らを「完全隔離の独裁政治」を展開していると非難。こうした対立が繰り広げられる中、国内各地で流行が拡大している。(c)AFP