【5月29日 AFP】ファンタジー小説「指輪物語」を原作とした映画「ロード・オブ・ザ・リング(The Lord of the Rings)」シリーズのロケ地になったニュージーランドの国立公園で、19日間にわたり遭難した男女が27日、無事救出された。2人は水たまりの水を沸かして飲み生きながらえたと話している。

 生還したのは、ディオン・レイノルズ(Dion Reynolds)さんとジェシカ・オコナー(Jessica O'Connor)さん(ともに23歳)。水を探していた際に転倒して軽傷を負ったが、それ以外のけがはなかった。

 経験豊富なハイカーの2人は、今月8日から5日間の予定で南島(South Island)のカフランギ国立公園(Kahurangi National Park)にキャンプに出かけたが、濃霧に囲まれ、道に迷ってしまった。

 レイノルズさんによると、一時、ヘリコプターが50メートル以内まで近づいたが、2人に気付かなかった。このため、次に捜索ヘリが来た時のために火を起こすことにしたという。1週間後にこれが奏功し、ヘリコプターが立ち上る煙を発見。2人は無事救助された。

 レイノルズさんは、現場を離れる際にヘリコプターの乗員からもらった菓子について、「人生で一番おいしいチョコレートバーだった」と語っている。

 カフランギ国立公園は、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズで主人公らが「モリアの坑道(Mines of Moria)」から脱出するシーンの撮影場所となった。(c)AFP