【5月28日 Xinhua News】中国の研究者らが、これまでに確認された新型コロナウイルスの感染者約375万人の症例データを基に、確認症例のうち半数以上が気温5~15度の場所で発生していることを明らかにした。

 蘭州大学(Lanzhou University)の研究者らは、新型ウイルスが世界中に広がったパターンを明らかにするため、その生存可能な環境パラメータを見つけ出そうと考えた。

 このたび環境科学の学術誌「サイエンス・オブ・ザ・トータル・エンバイロメント」に掲載された論文によると、同研究チームは、世界規模で拡散した新型ウイルスの感染症例に対する周囲温度の影響を調査。1月21日から5月6日までに185の国と地域で確認された約375万人の感染者の症例データを基に、新型肺炎の1日当たりの確認症例と気温や湿度を含む気象条件との関係を調べた。

 その結果、確認された感染症例の60%が気温5~15度の場所で発生したことが分かった。さらに、確認症例の約73・8%は絶対湿度(1立方メートル当たりの水蒸気量の最大量)が3~10グラムの地域に集中していた。

 この発見は、新型ウイルスが高緯度地域に向かって広がっているように思われることと、新型ウイルスにとって最適な気候帯があり、そうした地域ではウイルスの濃度が物体の表面などを含む周囲環境で著しく増加することを示唆している。

 新型コロナウイルスによる肺炎の流行は、さまざまな要因の影響を受けており、研究チームは、パンデミック(世界的な大流行)に影響を与える自然要因を調査した。

 同チームは、新型肺炎の拡大は周期的に起こり、2020年の秋には、中緯度に位置する大都市で再び大流行する恐れがあると警鐘を鳴らしている。論文の筆頭論者の黄忠偉(Huang Zhongwei)氏は、「新型肺炎は気温の上昇に伴って収まるという推測は当てにできない」と述べている。(c)Xinhua News/AFPBB News