【5月28日 AFP】フランス東部ブザンソン(Besancon)で2016年12月、留学中だった黒崎愛海(Narumi Kurosaki)さん(当時21)が行方不明になった事件で、チリ最高裁は27日、殺人容疑でフランスへの引き渡しが確定している元交際相手のチリ人ニコラス・セペダ(Nicolas Zepeda)容疑者(29)に対する検察側の拘束請求を退けた。

 検察側は、「逃亡の恐れ」があるとして、引き渡しまでの身柄拘束を求めていた。

 最高裁のホルヘ・ダーム(Jorge Dahm)判事はセペダ容疑者について、チリからの出国禁止と週に1度の当局への報告義務は維持する一方、身柄拘束は認めないと判断。容疑者は引き渡し合意に基づく義務を順守しており、「差し迫った逃亡の恐れはない」と述べた。

 チリ側は先月、セペダ容疑者のフランスへの身柄引き渡しを認め、最高裁が先週、これを最終決定した。ダーム判事は、チリとフランスが新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を受けて国境を閉鎖しているため、引き渡しの日時は未定だと説明した。(c)AFP