【5月25日 AFP】シンガポールのラジオ局のクイズ番組に参加した男性が、英バンド「スパンダー・バレエ(Spandau Ballet)」の元フロントマン、トニー・ハドリー(Tony Hadley)さんの名前の発音をめぐり局側と対立したが、ハドリーさん本人のとりなしでようやく賞金を受け取った。

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 鉄道職員のムハンマド・シャレハン(Muhammad Shalehan)さんは、シンガポールで人気の高いラジオ局「ゴールド905(Gold 905)」のクイズ番組に参加。著名人14人の声を聞いて誰かを答える番組で、13問しか正解していないとして、1万シンガポール・ドル(約76万円)の賞金贈与を拒否された。しかしその直後、別の参加者が同じ回答をして優勝した。

 不満に思ったシャレハンさんは抗議したが、ハドリーさんの名前の発音が正しくなかったと指摘されると、番組参加中に録音した音声をハドリーさん本人に送付。すると驚いたことに、ハドリーさんから返信が来た。

 ハドリーさんはシャレハンさんに送った動画の中で、「テープを聞きました。私が思うに、あなたは私の名前を確かに正確に発音しています」と明言した。

 ラジオ局は当初、ハドリーさん本人の介入後も、シャレハンさんへ賞金全額の贈与を拒否したが、ネット上での批判の高まりを受けて22日、方針を180度転換。フェイスブック(Facebook)の公式ページで謝罪し、「トニー・ハドリー氏が、シャレハンさんの発音は正しいと言っており、誰も否定できない。シャレハン氏に賞金1万シンガポール・ドルと商品券を贈呈する」と明らかにした。
 
 ハドリーさんは「スパンダー・バレエ」で1980年代にフロントマンを務めた後、ソロとして活動している。(c)AFP