【5月24日 CNS】中国プロスポーツの助っ人外国人が最近、ネットで論議の的となっている。同国サッカー・スーパーリーグ北京国安チームの韓国人選手、キム・ミンジェ(Kim Min-Jae)がテレビのバラエティー番組でチームメートの悪口を言った事件や、中国プロバスケットボールリーグ(CBA)が外国人選手抜きの試合をした場合の鑑賞性の問題、eスポーツのリーグオブレジェンド(LoL)季中杯(Mid-Season Cup)のポスターに描かれた中国大陸チームの代表が外国人だったことなどが話題だ。

■高額な報酬

 中国のプロスポーツにとって、外国人選手の導入はチームの戦力強化と試合の鑑賞性向上が目的だ。一方、外国人選手にとって中国で仕事をするのは、ほとんどの場合、多額の報酬を得ることができるからだ。実力と報酬は正比例の関係にあり、中国のプロリーグでは、外国人選手が高給を得ていることは普遍的だ。

 例えば、スーパーリーグでは中国サッカー協会が2019年末に発表した新規定に基づき、中国人選手との新契約において年俸の上限は1000万元(約1億5100万円)とし、代表選手の場合は税前で1200万元(約1億8100万円)までと決められている。これに対し、外国人選手との新契約の上限年俸は税後で300万ユーロ(約3億5000万円)となっている。

■体裁をよくするためか?気分を悪くさせるためか?

 さまざまな言い方はあるものの、冷静な観衆は認めるだろう。仮にアルゼンチン選手のダリオ・コンカ(Darío Leonardo Conca)やムリキ(Muriqui)がいなければ、サッカーのクラブチームの広州恒大(Guangzhou Evergrande Taobao Football Club)はAFCチャンピオンズリーグでタイトルを獲得することは無かっただろう。仮に韓国人選手の宋義進(Rookie)や姜承禄(Theshy)がいなければ、eスポーツのプロチーム「Invictus Gaming(iG)」もリーグオブレジェンドプロリーグ(LPL)の世界大会で王者になることはなかったかもしれない。

 優秀な外国人選手は、試合会場ではチームの勝利のために力を尽くし、試合会場以外でも積極的に中国の文化に溶け込んでいる。北京の五棵松(Wukesong)体育館の前にある米国人のバスケットボール選手、ステフォン・マーブリー(Stephon Marbury)の銅像は、中国の観衆から愛された外国人選手の一例だ。

 しかし、一部の外国人選手は、チームと試合のために尽力しないばかりか、不可思議な言動で回りを困惑させることもある。2017年、当時33歳だったサッカーアルゼンチン元代表のカルロス・テベス(Carlos Tevez)は、スター選手のオーラを身にまとい、スーパーリーグの上海申花(Shanghai Shenhua)に加入した。報道によると、その年俸は3000万ユーロ(約35億4000万円)を超え、その年の中国サッカー・スーパーリーグで最高額の選手となったばかりか、世界でも最高報酬だった。

 テベスはその後、上海申花のメンバーとして20試合に出場し、記録したゴールは4得点のみに終わった。テベスはシーズン中、負傷治療の名目で上海に残留した際、家族と一緒に上海ディズニーランド(Shanghai Disneyland)で遊んでいる姿を撮影された。シーズン終了後、上海申花は同選手との契約を打ち切った。

 プロスポーツは全世界で日増しに盛んになっているが、優秀な選手の移動は一つの流れとなっており、ほとんどの場合はうまくいっている。

 中国のプロスポーツで外国人選手について、さまざまな論議が起こる原因は、中国人選手の実力が足りないことと、規範化したルールが欠如している事などが挙げられる。(c)CNS/JCM/AFPBB News