【5月24日 AFP】北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)は24日、同国の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長が議長を務めた朝鮮労働党中央軍事委員会の会議で、「核戦争抑止力」を強化する新政策について議論されたと伝えた。

 KCNAは「核戦争抑止力」の具体的な内容は伝えていないが、朝鮮人民軍砲兵部隊の火力打撃能力を大幅に増強する「重大な措置」が取られたとしている。

 韓国の聯合(Yonhap)ニュースは、会議の開催日は不明だが、ここ数日に開かれたのであれば、金委員長が約3週間ぶりに公の場に姿を現したことになると伝えた。

 金委員長は、4月11日の朝鮮労働党政治局会議後は公の場に姿を見せず、祖父で北朝鮮建国の父とされる故金日成(キム・イルソン、Kim Il-Sung)国家主席の生誕日で、北朝鮮で最も重要な政治日程とされる4月15日の「太陽節」の式典にも出席しなかったことから健康状態について臆測が飛び交っていたが、肥料工場の竣工(しゅんこう)式に出席した様子が今月2日に報じられていた。

 米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は22日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領政権がロシアや中国へのけん制として1992年以来となる核実験の実施について協議したと伝えた。

 軍備管理政策に関する情報提供などを行っている米団体「アームズ・コントロール・アソシエーション(Arms Control Association)」のダリル・キンボール(Daryl Kimball)氏は同紙に対し、米国が核実験を実施すれば北朝鮮との交渉が妨げられ、金委員長は核実験停止を続ける必要を感じなくなるだろうと述べていた。(c)AFP