【5月23日 AFP】カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相は22日、アジア系カナダ人に対する攻撃は「容認できない」と非難した。新型コロナウイルスによる感染症が発生して以来、同国ではアジア系住民に対する嫌がらせ行為が増えている。

 トルドー氏は定例会見で、「アジア系カナダ人への人種差別的な行為が急増している」として非難。「ここ数週間、数か月にわたり、企業や建物、銅像が破壊され、人々は言葉による虐待や身体的な攻撃を受けてきた。こうしたことは容認できない。カナダではヘイトや暴力、差別があってはならない」と主張した。

 西部バンクーバー(Vancouver)では最近、チャイナタウンにある「グレーターバンクーバーの中国文化センター(Chinese Cultural Centre of Greater Vancouver)」がスプレーで人種差別的な落書きの被害を受けた。

 同市警察によると、新型ウイルスの発生以来、「対アジア系ヘイトによる事件や犯罪行為に関する通報が増えている」という。今年に入ってから、アジア系住民が受けた攻撃に関する通報件数は20件に上り、うち15件が4月に通報された。昨年1年間の通報は19件だった。

 昨年末に中国で新型ウイルスが初めて確認されて以降、こうした攻撃は世界中で増えており、アジア人やアジア系の人々は強い反中感情にさらされている。(c)AFP