【5月22日 AFP】英製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)は21日、新型コロナウイルスワクチンの開発、製造、供給のため、米生物医学先端研究開発局(BARDA)から10億ドル(約1100億円)超の支援を受けたと発表した。

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 アストラゼネカは英オックスフォード大学(University of Oxford)と共同で新型コロナワクチンの開発・供給を進めており、英国内で現在、臨床試験が行われている。

 新型コロナワクチンをめぐっては、死者数で世界最多の米国が複数の多国籍製薬大手に多額の資金援助を行っており、ワクチンの優先供給を狙った動きではないかとの懸念が指摘されている。

 フランス政府は先週、米国市場へのワクチン優先供給を示唆した仏製薬大手サノフィ(Sanofi)を批判。各国首脳も、科学的成果は世界で共有されるべきだと要求している。

 こうした中、アストラゼネカは、ワクチンの世界供給へ向けて各国政府や国際機関と連携していると強調。既に、最初に製造されるワクチン4億回分の受注契約を結んだほか、最大10億回分の生産体制を整え、9月供給を目指していることを明らかにした。

 英政府はこれまでに4700万ポンド(約62億円)を新型コロナワクチン開発に投資している。さらに今週、オックスフォード大学とインペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)のワクチン開発に合わせて8400万ポンド(約110億円)を支援すると発表していた。(c)AFP/Ben PERRY, Roland JACKSON