【5月22日 AFP】世界反ドーピング機関(WADA)は21日、治療使用特例(TUE)が適用されたアスリートと五輪でのメダル獲得数の間には、有意な関係性はなかったとする研究結果を公表した。

 女子テニス界のスターであるセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)とヴィーナス・ウィリアムス(Venus Williams、米国)の姉妹や体操の女王シモーネ・バイルス(Simone Biles、米国)も、本来は使用が禁止されている物質の医療目的での使用を特別に許可するTUEが適用されている。

 TUE適用を含むWADAの医療記録は2016年、ハッカー組織の不正アクセスによって公になった。

 WADAの研究では、2010年のバンクーバー冬季五輪、2012年のロンドン五輪、2014年のソチ冬季五輪、2016年のリオデジャネイロ五輪、2018年の平昌冬季五輪に出場したTUE適用選手を調査。TUEが適用されていない選手と比較して、適用選手のメダル数が多かったかどうかを調べた。

 WADAの医療ディレクターを務めるアラン・ファーネック(Alan Vernec)医師は「選択された五輪において、有効なTUEを持っていた選手の数は(個人競技では)1パーセント未満だった」とコメントし、以下のように続けた。

「この分析結果は、TUEを適用して大会に出場することとメダル獲得の可能性の間に有意な関係性はないことを示唆する」「今回の研究結果は、TUEを取り巻くいくつかの誤解や不安を払しょくするための客観的なデータを提供している」 (c)AFP