【5月1日 AFP】(更新)世界保健機関(WHO)は1日、中国が行う新型コロナウイルスの動物起源をめぐる調査について、中国から参加の招きを受けられるよう希望する考えを示した。

 WHOのタリク・ヤシャレビチ(Tarik Jasarevic)報道官はAFPへの電子メールで、「WHOは国際的パートナーと協力し、中国政府の招きを得て、動物起源をめぐる調査に参加することを強く望んでいる」と述べた。

 ヤシャレビチ報道官は、中国国内では「感染源をよりよく理解するため」複数の調査が行われていることをWHOは把握しているものの、「現在WHOは中国におけるこれらの研究には関与していない」と明かした。

 研究者らは新型ウイルスについて、昨年末に中国で発生し、動物から人に感染したとみており、野生動物が食用に販売されていた武漢(Wuhan)の市場で発生した可能性も指摘されている。

 しかし同ウイルスをめぐっては、中国の極秘の研究所から流出したという臆測とうわさが流れ、米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領がその火に油を注いだ。ただ研究者らはこれを否定している。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は今年1月下旬、担当班と共に中国を訪れ、同国の新型ウイルス対応について詳細を把握するため、習近平(Xi Jinping)国家主席と面会した。

 テドロス氏が今週説明したところによると、この訪問を足掛かりにして、2月に国際チームによる現地調査が実現。このチームには、中国、ドイツ、日本、韓国、ナイジェリア、ロシア、シンガポール、米国などの研究者らが加わったという。

 現在中国では、ウイルスの発生源に関する調査が進んでいるが、これまでのところWHOは関与してきていない。

 ヤシャレビチ氏によると、中国で現在進行中の調査は「昨年末に武漢とその周辺で発生した人の感染症例や、人の感染が最初に確認された地域の市場や農場から採取した環境検体、これらの市場で販売されていた野生生物と飼育動物の入手元と種類の詳細な記録」などに関するものとみられているという。

 同氏は、ウイルス発生源に関する研究成果が「新型ウイルスの動物から人への感染再発予防に必要不可欠」だと強調している。(c)AFP