【4月28日 AFP】冬季五輪のスピードスケート・ショートトラック男子で通算6個の金メダルを獲得しているロシアのビクトル・アン(Viktor Ahn)が27日、度重なるけがを理由に現役引退を発表した。

 34歳のアンは韓国出身だが、ロシアに帰化して2014年のソチ冬季五輪では三つの金メダルを手にした。

 国営ロシア通信(RIA)が伝えた書簡によれば、アンが引退を決意した背景には、慢性的な膝の痛みと他のけががあったという。

 同競技で最も成功した選手であるアンは「コンディションを維持するのがだんだん難しくなってきた。それが引退する時期だと決めた理由」と書き記した。

 安賢洙(Ahn Hyun-Soo、アン・ヒョンス)の名で、韓国代表の一員として2006年のトリノ冬季五輪に臨んだアンは、同大会で金メダル三つと銅メダル一つを獲得。膝を何度か手術したため、2010年のバンクーバー冬季五輪は出場を逃すと、その後韓国チームと対立し、ロシア国籍を取得した。

 リンクの上での成功やウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領との連帯感は、アンがソチ五輪を代表する選手であったことを意味した。

 しかし、ロシアにおける国家ぐるみのドーピングを世界反ドーピング機関(WADA)に指摘され、アンは2018年の平昌冬季五輪出場を禁じられた。(c)AFP