【4月16日 AFP】世界経済がここ1世紀で最悪のリセッション(景気後退)に入る中、20か国・地域(G20)は15日、財務相・中央銀行総裁テレビ会議を開き、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)に苦慮する低所得国の債務返済を1年間猶予すると発表した。

 G20は、新型ウイルスによる健康・経済危機に対処するため、「利用可能なあらゆる政策手段を用いる」と改めて表明した。

 世界の感染者が200万人超、死者が13万人超となる中、開発途上国の多くは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療や流行拡大抑制のための大規模なロックダウン(都市封鎖)の経済的影響に対応する資金力がなく、重い負担に直面している。

 G20各国の財務相・中央銀行総裁らは、「期間を区切った低所得国の債務返済の一時停止」を承認し、共同声明で「すべての二国間の公的な債権者がこの措置に参加する」と発表した。

 今年のG20の議長国、サウジアラビアのムハンマド・ビン・アブドラ・ジャドアーン(Mohammed bin Abdullah al-Jadaan)財務相は、これで「低所得国が今後12か月間、債務の返済に悩まされずに済む」と述べた。

 ジャドアーン財務相は記者会見で、この措置は低所得国に対し、「医療システムと、新型コロナウイルス感染症に直面する国民を支援するために」使う「200億ドル(約2兆1000億円)相当の当面の流動性を提供する」ものだと述べた。

 ジャドアーン財務相は、G20当局は「有言実行し、このパンデミックに直面する世界をさらに支援していく」と語った。(c)AFP/Anuj CHOPRA with Heather SCOTT in Washington