【4月14日 AFP】トルコ議会は14日、新型コロナウイルス感染拡大への対応策として、受刑者数万人の釈放を認める法案を可決した。

 釈放の対象となるのは妊娠中の受刑者や持病のある高齢の受刑者らで、殺人罪、性犯罪、薬物犯罪による受刑者は対象外としている。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)のトルコ支部のミレナ・ブユム(Milena Buyum)氏はツイッター(Twitter)に、法案は賛成279、反対51で可決されたと投稿。数日間にわたる審議は時には未明まで続けられたが、「野党の修正案は何一つ受け入れられなかった」と指摘した。

 アムネスティ・インターナショナルと国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は法案について、物議を醸しているテロ対策法で有罪となった受刑者を釈放の対象にしていないと批判。また、公判前の勾留下に置かれているジャーナリストや政治家、弁護士らも対象から除外されていると非難している。

 与党の公正発展党(AKP)は法案提出時、約4万5000人が早期の仮釈放の対象となり、自宅監禁下に置かれる者は9万人に増えると述べた。

 アブドゥルハミット・ギュル(Abdulhamit Gul)法相は13日、受刑者計17人が新型コロナウイルスに感染し、うち3人が死亡したと発表。感染した受刑者のうち13人は入院中で容体は安定しているが、1人は慢性疾患があり、現在集中治療室にいるという。

 保健省が13日に公表した統計によると、トルコ国内での感染者数は6万1000人超となり、これまでに1300人近くが亡くなっている。(c)AFP