【4月10日 AFP】国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエワ(Kristalina Georgieva)専務理事は9日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による経済危機は過去1世紀で最悪のものになるとし、回復には大規模な対応が必要だと訴えた。同日にはさらに、米国での3月中旬以降の失業者が1700万人となったことが明らかとなった。

 ウイルス流行による損失については既に厳しい見方が出されていたが、ゲオルギエワ氏は「世界大恐慌(Great Depression)以来最悪の経済的影響」を世界は覚悟すべきだと警告。IMFの2020年の経済見通しとして、加盟180か国中170か国で1人当たり所得が減少し、「世界成長は大幅なマイナスに転じる」と言明した。

 IMFは最良のシナリオとして、流行が年内に終息し、感染拡大抑制のための封鎖措置が解除されて経済活動が再開された場合でも、来年に「部分的な回復」がみられるにとどまるとしている。

 米政府が9日に発表した週次統計によると、米国では新たに660万人が失業保険の受給を申請。3月中旬以来に失業した人の数は1700万人となった。経済学者らは、失業率が今月、2桁台に達するとみている。

 米中央銀行に相当する連邦準備制度理事会(FRB)は9日、現金不足に直面している小中企業や州・地方政府の支援を目的とした計2兆3000億ドル(約250兆円)に上る一連の融資プログラムを発表した。

 また世界銀行(World Bank)は同日、ウイルス流行により、アフリカ諸国が25年ぶりに景気後退に陥る恐れがあるとの見解を示した。(c)AFP/Heather SCOTT