新型コロナ死者に備え墓穴600超を用意、市の対応に賛否 ウクライナ
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【4月8日 AFP】ウクライナ東部ドニプロ(Dnipro)市当局はこのほど、新型コロナウイルスによる死者増加を見据え、600超の墓穴を用意した。この措置をめぐり、世論は賛否両論に大きく割れている。
ドニプロ市長公室で広報担当を担当するユリア・ ビトフスカ(Yulia Vitvitska)氏はAFPに対し、新型ウイルスによる死者への備えとして、615の墓穴と2000枚の遺体袋を用意したと明らかにした。
公式統計によると、ウクライナではこれまでに1462人の新型ウイルス感染が確認され、45人が死亡した。ドニプロでは13人の感染が確認されているが、まだ死者は出ていない。
ボリス・フィラトフ(Borys Filatov)市長は先週、自身のフェイスブック(Facebook)ページに「最悪の事態に備えている」と投稿した。
市長は、新型ウイルスによって死亡した疑いのある人の遺体の解剖を禁止する方針を明らかにした。代わりに、遺体は消毒された後、密封できる遺体袋に入れられ、さらにひつぎに入れられて埋葬される。
地元の活動家は、市長の発言が「パニックを大いにあおっている」とAFPに語った。
一方、ドニプロ出身の作家は、市長の行動は心理学的に正しく、住民にいっそうの注意を呼び掛けるものだと擁護した。
市長は別の投稿で、「これはパニックではない。ロジスティクスだ」と述べた上で、こうした墓穴や遺体袋が必要にならなければいいのだがと述べた。
当局によると、ウクライナでは推定700万~2200万人が新型ウイルスに感染する見通しだという。(c)AFP