【4月5日 AFP】自転車選手やボート選手は新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)の間も、個人ジムで申し分ない体調を維持し続けることはできるが、競泳の五輪金メダリスト、アダム・ピーティ(Adam Peaty、英国)は、それをプール無しでやりくりしなければならない。

 世界水泳選手権(FINA World Championships)で通算8度の優勝を誇るピーティは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって東京五輪が延期されていなければ、それに向けた準備にいそしんでいたはずだったが、新型ウイルスにより、トレーニングのスケジュールと食事療法の変更を余儀なくされた。

 25歳のピーティは英BBCラジオに対し、「水泳は、水の中にいなければ実際のトレーニングができない。残念ながら僕らは、少なくともあと3週間は水中で練習できないだろうね」と語った。

「水泳をしない人にとっては、水とのつながりを理解するのはかなり難しい。水に入らない一日を取り戻すのには二日かかるといわれているから、ロックダウンがどれくらい続くかが、いつ戻れるかにかかわってくる」「家の中のジムでトレーニングして、かなり走ったり、自転車をこいだりしている。体幹を鍛えることを心掛けている」

 ピーティの現在のルーチンは、1万メートルの泳ぎやジムでのワークアウトとは大きくかけ離れており、食生活の変化にも影響している。

「僕らができることは食生活をうまくやりこなすことなんだ。隔離されていると、好きなだけ食べてしまう」「午後2時までは断続的に断食している。脂肪を取らないようにするのが一番の難題だ」

「フルでトレーニングをしていれば4500(キロ)カロリーを消費していると思うけれど、今は2500あたりを目安にしている」

 それでもピーティは、すでに来年の五輪にピークを合わせることに照準を定めている。

「その時のために4年間待っていて、五輪はやってこない」「でも今は世界にはもっと重要なことがある」

「それに打ち勝って、物事が良い方に向かえばいいんだけどね。五輪は素晴らしい祝祭になると思うよ」 (c)AFP