【4月4日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の娘婿、ジャレッド・クシュナー(Jared Kushner)米大統領上級顧問(39)は、医療分野の経験がなく、選挙で選ばれたこともなく、軍への入隊経験がないにもかかわらず政権の中枢にいる。そんなクシュナー氏が米国の新型コロナウイルス対策で指導的な役割を果たしていることが明らかとなった。

 クシュナー氏は政治経験が一切なかったが、トランプ氏の娘であるイヴァンカ(Ivanka Trump)氏と結婚したことで、2016年の大統領選後に権力の中枢に入った。

 2日、トランプ氏が連日行っている新型コロナウイルスに関する定例会見にクシュナー氏が出席したことは驚きを持って受け止められ、米史上最大級の危機である新型コロナウイルス流行への対策で、クシュナー氏が指導的立場にあることが確認された。

 医療システムと経済を混乱させている新型コロナウイルスに対する政府の複雑な措置はマイク・ペンス(Mike Pence)副大統領が調整するとされている。

 クシュナー氏が政府の影のチームを率いているという話は、数日前からささやかれていた。2日の定例会見の演壇に上がったクシュナー氏は、影から表に姿を現したといえる。

 明確に定義されていない自身の任務について質問されたクシュナー氏は、広大で多様な国家で拡大する感染流行との闘いという、切迫した挑戦に取り組むチームを再活性化することだと述べた。

 ホワイトハウス(White House)は、医療機関や市民への医療用品の供給に遅れが出ていることで批判されているが、トランプ氏は、医療用品の不足は連邦政府ではなく各州知事に責任があると主張している。(c)AFP/Sebastian Smith