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【4月4日 AFP】新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため封鎖措置が取られている英国でこのほど、遠出をして散歩している人を警察がドローンで撮影、公開した。封鎖を維持するために「行き過ぎた」手法を使ったとして、批判の声が上がっている。

 ドローンによる監視は、イングランド中部ダービーシャー(Derbyshire)州のピークディストリクト国立公園(Peak District National Park)で行われた。

 さらに、英警察が運転手らの行き先を把握するため、複数の検問所を設置したことも明らかになった。これを受け、人権団体ビッグ・ブラザー・ウオッチ(Big Brother Watch)は、警察は法の支配の範囲内で行動しなければならないと指摘した。

 ビッグ・ブラザー・ウオッチの代表、シルキー・カルロ(Silkie Carlo)氏は「警察がパーティーやバーベキューを禁じるのは分かるが、検問所で運転手に行き先の詳細な説明を求めるのは行き過ぎだ」「公衆衛生を守ることと、基本的な民主主義の規範を守ることは、どちらも重要だ。専断的な取り締まりは(感染症の)大流行との闘いの手助けにはならない」と話した。

 英国では3月23日以降、外出が許可されているのは、出勤や生活必需品の買い出し、1日1回の運動などのみで、娯楽目的の外出は許可されていない。このルールを国民に守らせるため、警察は公式に「合理的な理由のない」外出をさせない権限を与えられている。

 ダービーシャー州の警察はツイッター(Twitter)で「人々の安全のため、法に沿った適切な方法を取ったことに対し謝罪はない」「われわれの行動と政府の助言は、あなたがたの安全を守るためのものだ」と正当性を主張した。

 映像はダービーシャー州の警察が作成した動画、3月撮影・公開。(c)AFP