【4月2日 AFP】2002年にパキスタンで米国人記者のダニエル・パール(Daniel Pearl)氏(当時38歳)が誘拐・殺害された事件で、パキスタンの裁判所は2日、アーメド・オマル・サイード・シェイク(Ahmed Omar Saeed Sheikh)死刑囚に対する判決を破棄した。

 シェイク死刑囚の弁護人はAFPの取材に対し、量刑が禁錮7年に減刑されたと語った。同死刑囚は2002年から拘置されており、減刑を受けて釈放される見通しだが、裁判所はまだ釈放命令を出していないという。

 事件当時、パール氏は米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の南アジア支局長で、イスラム過激派に関する記事の取材中にパキスタンのカラチで誘拐され、斬首された。

 シェイク死刑囚は英国で生まれ、2002年に逮捕された後、反テロ法廷で死刑判決を言い渡された。一緒に起訴された他の3人には終身刑の判決が下された。

 しかし2011年1月、パール氏殺害に関する調査報告書をジョージタウン大学(Georgetown University)の研究チームが発表し、有罪判決を受けた男らは殺害に関わっていないと主張。

 調査はパール氏の友人やウォールストリート・ジャーナルで同僚だったアスラ・ノマニ(Asra Nomani)氏が主導し、パール氏を殺害したのはシェイク死刑囚ではなく、2001年9月11日の米同時多発攻撃の首謀者とされるハリド・シェイク・モハメド(Khalid Sheikh Mohammed)容疑者だと断定している。

 モハメド容疑者は2003年にパキスタンで逮捕され、現在はキューバ・グアンタナモ(Guantanamo)にある米軍基地収容所で拘束されている。モハメド容疑者と面会した心理学者によると、同容疑者は自分がパール氏を斬首したと語ったという。(c)AFP