【3月31日 AFP】フランスのジャンミシェル・ブランケール(Jean-Michel Blanquer)国民教育相は31日、新型コロナウイルスの感染拡大による外出制限に伴い、子どもたちが授業に出席できなくても学習を継続できるよう努めているものの、教員との連絡が取れなくなっている児童・生徒が何十万人にも上る可能性があると示唆した。

 ブランケール氏はテレビ局CNewsの番組に出演した際、「過去2週間の初期評価から、児童・生徒の5~8%が『いなくなった』ような状況だと推算している」と明かした。

 今年度、小学校および中学・高校に登録されている児童・生徒の数は約1200万人となっており、ブランケール氏の発言は最大96万人が学習を継続できていない恐れがあることを意味する。

 フランスでは、オンライン授業や、保護者が印刷できる課題を電子メールで送信するなど、さまざまな遠隔学習プログラムが提供されている。

 とはいえブランケール氏は、とりわけ自宅にインターネットやプリンターがない家庭にとって、現状に「格差の拡大」をもたらしかねない「大きなリスク」があることを認めた。

 同氏は、教員の自宅コンピューターから印刷された課題が「IT機器のない、あるいはそれ以外に連絡を取る方法がない児童・生徒」の元へ自動的に送付されるよう、国民教育省と郵便局が連携していると話している。

 また、なくなった授業時間を補うため、夏季休暇中に特別講習合宿や無料の学習プログラムを用意する計画も明らかにした。

 フランスでは来週、キリスト教の復活祭に合わせた2週間の休暇が始まるが、その間にも無料のオンライン学習プログラムが予定されているという。(c)AFP