【3月30日 AFP】米ニューヨークのセントラルパーク(Central Park)で29日、キリスト教人道支援団体「サマリタンズ・パース(Samaritan's Purse)」が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者のための臨時野営病院を設置した。

 サマリタンズ・パースは米国を拠点とする世界規模の支援団体。野営病院はマウントサイナイ病院(Mount Sinai Hospital)グループの施設に面したセントラルパークの芝生広場、イーストメドウ(East Meadow)に設置された。

 サマリタンズ・パースのCOVID-19特別対応チームのリーダー、エリオット・テンペニー(Elliott Tenpenny)医師は、「ニューヨーク市内の病院はどこも患者であふれており、病院側は得られる限りの支援を必要としている」と述べた。

 テンペニー氏によると、サマリタンズ・パースはアンドルー・クオモ(Andrew Cuomo)ニューヨーク州知事、連邦緊急事態管理庁(FEMA)、およびマウントサイナイ病院と連携し、2日以内の患者の受け入れ開始を目指しているという。

 ニューヨーク州内に設置された他の臨時施設と異なり、この野営病院はCOVID-19に対応する医療設備と職員が配備される。テンペニー氏はこの「呼吸器に特化した野営病院」は最大68人の患者を受け入れ可能で、医師と看護師が治療に当たると述べた。

 サマリタンズ・パースは、COVID-19による死者が世界で最も多いイタリアでも、北部のクレモナ(Cremona)に同じような病院を設置している。

 クオモ知事は29日、ニューヨーク州の感染者は5万9500人以上、死者965人になったと発表。同州の感染流行は国内その他の州よりはるかに深刻になっている。ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)の集計によると、ニューヨーク州における感染者と死者の数は、米国全体の40%以上を占めている。(c)AFP